軍事作家 橋本 純の反戦ブログ
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更新できなくてすいません。

現在、休筆中です。ちょっとした犯罪被害者になり、転居と各種個人情報を全て改める羽目になりました。

このため、アクセスができなくなっておりましたので、こちらも放置状態でした。

休筆中にも関わらず読者になってくれた皆さん、ありがとうございます。

暫くは、アクセスの制限が続きますが、このBLOGは、このままの形で続けます。

今回の選挙について、言いたい事などあったのですが、個人的に親しかった漫画家さんの急逝などがあり、動転していて頭の中身が吹っ飛びました。

というわけで、この場を借りて、故 居村 眞二氏の心からのご冥福を祈りたいと思います。

黙祷…

ライブ8を見て想うこと…

ライブエイドから、もう随分経ったのだと、改めて感じた。ボブ・ゲルドフの老け方を見たからそう思ったのかもしれない。

ボブ・ゲルドフ、今の若い人間には説明しなければ判らないだろう。かつて、アフリカの飢餓を救う為に、ミュージシャン達に声をかけ、無償でコンサートを行った。それがライブエイドであった。

彼は、元ブームタウン・ラッツのリーダー。中高年の方なら、大ヒットした名曲アイ・ドント・ライク・マンデーのフレーズが頭を過ぎる事だろう。

個人的な事を書くと、私の心酔するピンクフロイドの映画「ザ・ウォール」の主役であり、こよなく愛するロジャ^・ウォータースのよき友と言う認識が先に立つ。

その縁があってだろう、今回のライブ8では真のピンクフロイド(それはつまり、デビッド・ギルモアとウォータースが揃った状態を示す)復活がなった。

英国人は、自分達の国の企業が、如何にアフリカ諸国から搾取を行い、同時にアフリカの諸政府が国民から搾取をしているかを知っている。

その為だろうか、慈善行動に熱心なアーティストには英国人が多い。エルトン・ジョン、ポール・マッカートニー、スティング、エリック・クラプトン、フィル・コリンズ、最近ではOASISノエル・ギャラガー君も目だっている。そうそう、ベン・フォールズもね。

英国人は、昔からこういった事に熱心であった。自然愛護なども、彼らが始めたことだ、動物レスキューも同じだ。

そこには、植民地時代から自分達が破壊し続けた文化、略奪して来た文化財、そして人民、さらには無意味な差別と言ったトラウマが、国民意識に強く根付いているからじゃないだろうか。

彼らが、どういった考えであっても構わない。

この行動で救われる人間がいることが、 いや! 救わなければいけない人間がいる事を多くの人間が再認識してくれればそれでいい。

世界は、まだ平和ではない。これは、有史以来変わらない。

カンボジア人質事件、最悪の判断

シエムレアプは、カンボジアでも治安のいい地域です。今回の事件は、強盗による人質で、テロでも何でもありません。だから、このような悲劇になった事は、やはりカンボジア警察の手腕と、犯人がおそらく薬物を使用していたためであろうと思われます。

ネゴシエーションの基本は、相手に威圧感を与えないことです。カナダ人の幼児が射殺されたのは、明らかに警察の威圧に原因があります。

突入の判断は、現場としては適切だったとしか言えないでしょう。これ以上の犠牲を増やさないことは、治安維持として最低の義務である事を心得ていたと言う意味では。

犯人は、不況による失業者です。安易に強盗に走ったとは言え、そこにはまだ、復興をなし終えていない国の現実があります。

アンコールワット修復などで観光客も戻り外貨が入り、商業の活性化は進む一方、産業特に工業分野は立遅れが目立ちます。必然でGDPはあがらないと言う事になるわけです。

結果的に地域格差に起因する犯罪(貧困による犯罪)が、カンボジアでは最も多いわけです。生きるための置き引き、すり、強盗。

そして、かつてのゴールデントライアングルの一角であることから、麻薬が安価で手に入る事も、犯罪を助長させていますし、まだ未回収のかつての反政府勢力の武器がマーケットに溢れています。(激安で)

もし、今回のHン人たちが押し入った時、教師と生徒がいなければ。普通の強盗事件に終わったでしょう。

ニュースが錯綜しましたが、最初の身代金要求金額が1000ドルだったと言う事を、考えて下さい。

カンボジアにおける1000ドルは、大金なのです。日本では10万ちょっとでも、向こうでは1年は楽に遊んで暮らせる金額です。

値段が釣りあがったのは、人質の人数と無計画性の為でしょう。そして、警察の威圧もまた、緊張を高めさせ、犯人を強気にさせたと思われます。

アメリカの警察なら、距離を置いて、持久戦を狙い、差し入れなどで犯人の懐柔から説得を始めたはずです。まず、話し合う態度を示すことが人質事件の基本ですから。

それが、今回出来なかったのは、犯人も警官も、軍隊やゲリラ経験者だからでしょうね。

徴兵制の弊害と言えるかもしれません。特に、犯人たちは、軍隊を終わって警備会社に入って、すぐに失業したようなものです。(ただ選抜徴兵なので、全員ではないかもしれませんこと憶測と示唆しておきます)

失われなくていい命が失われた事件。

それが今回の事件でしょう。犯人にも、同情すべき点はあります。

宗教の復興したカンボジアでは、この事件の犠牲者を大変悼んでおります。無論、犯人を含めて。

殺人事件だけで見れば、カンボジアは日本よりアメリカより、治安のいい国なのです。それだけ命の重さの判っている国だからです。全ての国民が、家族の誰かをポルポトに殺害された国です。人を殺すことの悲しみを、日本人の数千倍は心得た国と言えるでしょう。

それだけに、今回の結末は残念で仕方ありません。

改めて犠牲者に哀悼の意を捧げます。

カンボジア治安当局に過ちを繰り返さないことも切望します。

人の命の重さに変わりなどない!

kiku


先にお断りしておきます。私としては、今回始めて同一内容の文を、自分の二つのブログにアップしました。
私の意図を、どう読み取るのかは、貴方の自由です。


昨日、ML仲間のR氏の奥さんが他界されました。
本人の了承を得ていないので、詳細は触れませんが、移植手術後の合併症で亡くなったとだけお伝えします。
こういった、ネットで知り合った人間の身内が亡くなった事でも、心が悼みます。
増してや、これが自分の親しい友人、家族、そして愛する人であったら、貴方の心は悲しみにくれるはずです。
私は、両親の死に、本当に心を病みました。
悲しみに耐えるだけの強さがなかったのです。
こういった事は誰にでもあることでしょう。
多くの方が頷かれてくれると信じます。
そこで、考えて欲しいのです。
テロや戦争で死んでいく人々。兵士、傭兵、テロリスト、そして巻き込まれる一般人。
それだけじゃありません。犯罪の被害者、医療ミスの被害者、交通事故の被害者。
貴方は、ニュースでこれらの人々の死を知っても、憐憫の感情を持つ事が出来ていますか?
多くの人が、他人事と思い、読み流し、あるいは聞き流しているのではないですか?
でも、それらの人々にも家族があり、仲間が居り、そして友人がいたのです。
その人たちは、貴方の周囲の人間が亡くなった時と同じ悲しみを心に宿しています。
すべての人間が、仲間、友人、どう法と言う意識を持てたなら、悲しみを共有できるでしょう。
しかし、それは不可能なことです。
宗教の理念、政治信条、貧富の差、そして人種の差、さらには性差。
人間は、敵を作る事は容易に出来ても、仲間を増やし続ける事は出来ない生き物のようです。
しかし、どんなに立場が違っても、人の命の価値は、まったく変わらない。私はそう絶叫します。
世の中に、死んでもいい人間など、いるはずがない!
ひと時の事でも構いません。この世界に、争いのない時間が訪れる事を祈ります。
そして、30歳の若さで他界した麗華さんの冥福を心からお悔やみ申し上げます。

傭兵会社の台頭に日本も関与してるのを知ってください。

朝日の電子記事 に政府が民間軍事会社に関する法的研究を開始したと載りましたが、なんとも遅い対応です。

しかも、自衛隊が彼らを使うことは無いと言う前提で、なるべく無関係を装う模様です。

さて、ここで民間軍事会社の草分けと言うべき、エグゼクティブ・アウトカムズ社のことを考えてみましょう。

この会社は、事実上ある企業のために設立された私設軍隊でした(現在はPMCとして広範囲に仕事をしており、VIP警護、軍事教練派遣、人質事件のネゴシエーションまで行ってます)。

このエグゼクティブ・アウトカムズ社が契約した最初の会社(であり、最も多く設立金を出資した会社)が、デビアス社です。

日本人は、世界でも有数のダイアモンド好き、市場でも大きな地位を築いています。

ダイアモンドは、事実上デビアス社の寡占状態です。高級ダイアの9割は彼らの手によって流通し、その値段もクオリティの格付けも行われているのです。

日本に入ってくるダイアモンドは、ほぼこのデビアス社から売られたものです。

何故なら、仲買人は彼らから買うか、自分で掘る以外にダイアを手に入れられないからです。

デビアスダイアモンドは、鉱山の利権を守るためにエグゼクティブ・アウトカムズ社を雇い、ついには一国の政府の転覆までたくらみ、ひどい内戦を引き起こしました(シエラレオネの歴史を調べてみてください)。

日本人が、一切ダイアを買わなければ、アフリカで何万人もの人間が、無為に死なずにすむのです。

こうして、企業癒着から発展した民間軍事会社は、利権確保の他に、政府組織との提携と言う新しいビジネスを始めました(湾岸戦争の前、ソマリアの頃からです)。

こうして、軍隊がビジネスになると言う土壌を作った資金は、エンゲージリングにダイアをとインプリンティングされた高度成長期の日本の一般人の財布から流れていったのです。

民間軍事会社に対し、日本人は絶対に無関心でいて欲しくないと思います。

北方領土の共同統治案と来てくれないプーチン

実は、昨日外出から戻ってこの件に記事書いたのに、エラーで飛びまして、階段転落事故(はみ出し雑記の読者じゃないと判りませんね、吸いません。と言うか、ここからのリンクが無かったですね。作っておきます)で肩が痛くていらついたので、破棄してしまいました。

中曽根さんの一昨日の発言にも、言いたい事あったんですけど、まあ正論だから(主旨に関してだけね)方っておきます。

問題は、共同統治ですよ。

旧ソ連時代には、絶対にありえなかった提案です。ロシアの民主化が生んだ妥協案と取るのが、大勢でしょうが、私はこれは実現させたほうが懸命な手段だと考えています。

領土と言う観念を、考え直すいい機会になるからです。

主権の存在をめぐって争う事の無いよう、つめるべき問題は山積ですよ、しかし、これがテストケースとして成功した場合、バレスチナ問題への提言に繋がる可能性が高いでしょ。

まあ、現実的には厳しいですけどね、イスラエルだけは。

しかし、北方領土についてだけ言えば、日本人とロシア人が共存するのは何の問題も無いでしょう、今でも自由に行き来して、あちらに家を持っている北海道の人もいますし。何より、密輸、密漁問題が非常にクリアになります。

漁猟権に関しては、対等区分でいいじゃないですか。ここで、独占意識が働くから、領土と言う観念が前面にでしゃばるんですよ。

竹島も、同じ感覚でいいと思うんです。韓国を説き伏せましょう。(なんか、意固地にこの案にこだわってますが、実はソ連崩壊直後に、私このアイデア考え、あちこちで主張してた過去があるもので、あはは)

まあ、理想と現実のギャップは理解していますが、もし成功すれば国際社会の理念を変える魁になるのは間違いないですよ。欧州の過去の共同統治と違って、経済大国二国間の対等統治なんですから。

こういった案を先に出してきたと言うことを踏まえて、プーチン大統領の来日が延びている理由を考えてみましょう。

まず、六カ国協議の問題があります。既にロシアは、北朝鮮の後見国家ではありません。しかし、主権を認めている国であり、協議においては北朝鮮側参戦国ですね。(冷戦時代ずっと否定していたのにね)アメリカの強行案には絶対賛成できない。

日本が、日米安保を組んでいる状況で、日本とロシアで会談し、アメリカを含む密約が交わされたかのような印象を抱かせるのは、ロシア政府にとって大きなマイナスです。

慎重になるのは当然ですね。

それにくわえて、小泉首相に対して口を滑らせた北方領土返します発言。(以前から主張している二島返還の事だと大きくコメントしたのは、側近に注意されたあとですからねえ)

次官級会議でも、北方領土交渉に発展が無いと、共同統治発言が出るまで突っぱねたのは、やはり政府内の調整が難航した証でしょう。

親日派だけでなく、日本にシベリア地区への資本導入して欲しいプーチン(議会は、まだ割れてます)にしてみれば、あまりにタイミングを早く来日すると、国内問題、衛星国家問題だけでも頭が痛いのに、余分な案件を増やす結果になるのが見え見えなのでしょう。

とりあえず、北朝鮮問題が先と井うのが、プーチンさんの思惑じゃないでしょうか。(いや、実際、先にして貰わなくちゃ困るのが、国際社会なんですから)

北方領土、ノーパスポートでのんびり旅行したくありませんか?

妥協と言うのも、政治の駆け引きの常套手段ですよ。

会議自体もまた、喧嘩腰ではなく平和裏に進むのが理想ですものね。


NPTの流局は、99%日本の責任でしょう。

どこかの平和団体みたいに、声高に叫ぶつもりはありませんが、五年に一回の会議を、完全に主導権握ろうとして、首相が盟友だと言った国に見離され、1ヶ月空転して何のステートメントも出せなかったなんて、国連に対する外務省の認識不足が、完全に露呈してますね。

アメリカは絶対にNPFTが時代遅れである事を理解してます。でも、日本はこれをNPTの核に据えようとしていたのですから、エジプトの反発すら退けられないのも無理からん話だ。

なんか、アルファベット乱れ飛ぶと話が見えにくいから、日本語に直していきますけど、核拡散防止条約が有名無実化している現状で、特に中東問題の継続審議(イスラエルがターゲットです)の再確認をエジプトが執拗に迫ったのには理由があります。

包括的核協議では、核実験中止条約も審議対称になってます。(アメリカは、これにずっと反対して署名して無いんですね。理由は、定期的に実験しないと核爆弾の性能維持出来ないからと言う面と、今は冷戦が終結し本来の核保有是認国以外への抑止力維持だそうですが、眉唾だな。特に9・11以後)

現在のシャロン政権の政治理念に、中東各国は危機感を抱く中、かろうじてパイプの繋がっているエジプトが、あの席で主導権を握り、議題の中心をNPT未加盟国への核廃棄を長期協議したかったからでしょう。

これが、北朝鮮問題に絞り込みたかった日本には、邪魔だった訳です。

実は、日本の用意していたシナリオでは、短期決戦で未加盟国への査察および廃棄勧告の権限をNPTが握ってしまうために、自分が主導権を握ると言うものだったのですね。

ところが世の中、ややこしい。

アメリカが日本の議題提案にNOと言ってきちゃったんですね。ついでにエジプトにも。

何故かと言うと、エジプトは実験中止の関する継続協議にも確認を求めたからです。(そりゃイスラエルに実験されちゃ困る。アメリカもイランと北朝鮮にされちゃ困るけど、自分も出来ないのはもっと困る)

アメリカの退席は、日本の「想定外」だったんですよね。

事前に根回しして無かったんだから、こうなっても文句は言えない。(核に関しては、日本の政府内で禁忌的に扱う慣例がるみたいで、官僚の皆さん自分が担当になるまで世界の実情を勉強していないようですねえ。駄目だ~この国)

常任理事国入りに必死で、こちらまで手が回らなかったのは見え見えです。

より緊急性の高い案件はどちらだと思います皆さん?

常任理事国入りは今回ワンチャンスかもしれませんが、NPT会議は五年後まで無いんですよ。

広島、長崎から60年。被爆国の威信は、この国の指導者の根拠の無い外交への自信から、深層雪崩れを起こして崩れていきそうです。

koizumi ←今日本で一番「はったり」がうまいと思われる人(でも限界)


蛇足ながら、妻の母方の祖母は被爆者でした。今は、呼子の教会の墓地に眠って居ます。

外務省の担当官の方、対応方法が本当に無かったのか説明をしに行ってやって下さい。

供給に余裕があるのにガソリンが高い訳と、アメリカとロシアの思惑

石油関連製品の高騰は、復帰の兆しを見せた日本の経済の芽を摘みかねないですね。困ったものだ。うちの車はハイオク専用車ですから、もう乗るなと言われているようなものです。

さて、原油価格決まる仕組みご存知の方なら現在の高騰は、OPECの所為だけでないのは、ご存知ですね。

原油価格の平均指数は、アメリカのテキサス産原油です(全世界供給量のたった2%)、これがNYで取引されるのですが、先物取引などが関与して、これまではOPECが減産しても大幅な高値はついてなかったんです。それが、イラク戦争以後変わってしまいました。

情勢悪化と減産のダブルパンチ、そこにあわせてファンドマネージャーが大量に、原油に目を付けちゃったから、世界最大の産油国ロシアが、フル生産で供給量は問題なくなってるのに、高値更新が続いています。

それは、テキサス原油を高く買う馬鹿が居るからです。(特に投機筋の資金流入がでかい)

OPECの基準価格より高い価格が、市場価格になっちゃってるんですよ。

それにしても、なんでそんな僅かなアメリカ原油が世界の価格の基準になるかと不思議に思うでしょうが、これを説明するにはかつてのセブンシスターズ時代まで遡らないとなりません。

かつて、世界の石油権益の殆どすべてを握っていた彼らは、競争による価格低下を防止するために、一般入札市場を開設したんです。それがNYで、基準値がテキサス。それが今でも続いている(理不尽だ!)

実は、この原油高は、アメリカ経済にも打撃を与えています。

だったら、何とか引き下げできないのか? そう思うでしょう。しかし、市場に金を導入しているのが、実は中東の金持ちだったりするんです。

自分のところの原油を高く売るために、投機してるんですね。

そこでアメリカは、ロシアに協力を要請して供給過多の状況を生み、価格下落を狙っているんです。

ロシアにしてみれば、現在生産分の価格は高値で受け取れます。(先物取引分は別ですがね)だから、フル生産状態なんですね。

さて、ところがここで大きな問題がおきました。

どこかのあほな国が、金融改革の所為で、リスクヘッジもお構い無しに、素人にファンド売りまくってるんですが、その中に原油取引が含まれてる。

ちょっと、日本のお金余ってる皆さん! あんた自分で自分の首しめてますよ!

しかもね、このままだと、原油値崩れで、バブル崩壊が起こる懸念があるんですから!

まあ、金持ちが損するのはいいが、経済が後退されちゃ困るんで、警告しておきます。

とりあえず1バレル50ドル割れが起きた時(多分崩れるときは1時間かからない)、きちんとリスク回避できる自信のあるファンドマネージャーさん、どれくらいいます?


旧日本軍の戦死者が、特定できない理由

フィリピンの件は、どうも過去形で話さないといけなくて、なおかつ別の要素が絡んできそうなので、後日に。


第二次世界大戦で日本軍は、膨大な戦死者を出しましたが、誰が何処で死んだのかを特定できるのは、全体のごくわずかです。(島とか大まかな地区は判るんですがね)

海軍は、乗艦名簿があって、沈没した場合は生還者と照らし合わせて精度は高い(でも漂着者捕虜は戦死扱いになってますよ、殆ど)のですが、陸軍の場合戦術の問題(集団で行軍して壊滅とかね)もあるのですが、そのもっと以前の問題として、日本陸軍が個人識別行動をやってなかったのが、原因ですね。

軍人手帳は支給されるけど、密林戦じゃぼろぼろになるし、名前消えちゃう代物ですからね。それに、これに管理番号って存在してないんですから。

認識票というものは、皆さんご存知ですね。アメリカじゃドッグタッグ(犬の鑑札)と呼ばれてましたが、これに名前と生年月日や出身地が記されて、入隊すると全員に配られました。二枚が一組で。

何故二枚なのかというと、一枚は生存者が持って帰り、もう一枚は死体に残すためです。(正式には口にくわえさせるんですが、これは収容作業のときに行うのが普通でした。ドイツ軍などは、折り目があって、ぺきっと割る丸い一枚のもの使ってましたね)

日本軍にも認識票はありました。しかし、個人認識票は存在しませんでした。

どういうことかというと、戦闘に出かける前に、番号札が配布されるんです。それを、部隊名簿に書き込んでいき、生還者が戦死者から回収できたものは戦死、それ以外は行方不明扱いというシステムだったんです。

ところが、太平洋戦争になると、大陸戦と違い、部隊の全滅や離散が当たり前になり、もはやこんな悠長なことやってられなくなったのですね。

結果的に、後に生還した人間の証言などから戦死認定を行うことになり、玉砕の場合は全員戦死扱いにしてしまったんです。

しかし、行方不明のまま戦死認定されず遺族年金を支給されないなどの問題があったのは、年配者ならご存知ですね。今は裁判で、未帰還兵は戦死扱いとなってます。

しかし、この玉砕が曲者なんです。

サイパン島、玉砕の島として有名ですね。

ところが、戦争が終わって半年近くたってから、一個小隊規模の部隊が発見されて、終戦を信じないので、米軍が上陸しなかったロタ島の司令官がやって来て説得して、やっと降伏したということもありました。

いや、それどころか、ペリリュー島では、戦後7年経って20名医ほどの部隊が出てきたという例もあります。

当然、その間彼らは戦死者だったわけです。

さらに、日本軍は戦陣訓という、とんでもない兵隊の教科書(むしろバイブルか)のようなもの(島崎藤村が文章を書いたのですが、中身は陸軍の人徳者とまで言われた某将軍が作りました)で、生きて虜囚の辱めを受けず、なんて教育しちゃったから、捕虜は絶対に出ないというスタンスで戦争続けていたのですね。

(実際には、真珠湾攻撃の特殊潜航艇部隊から1名捕虜が出たのが判り、二人乗り潜航艇五隻での攻撃、全艇未帰還なのに、戦死の9勇士は…などという苦しい発表をする羽目になってたりしてるから、実情は矛盾の塊だったわけですね)

そういうわけで、戦後の復員作業が始まってみると、自分のお墓や位牌に対面することになった元日本兵が全国に山のように出現したのです。

こういう状況ですから、生存者がいるといわれた場合、嘘だと言い切れないのですね。


ちなみに、アメリカ軍でも戦s死確認できないと行方不明扱いで、状況によっては恩給どころか、脱走嫌疑までかけられたといいます。管理が行き届いても、こういう状況が生まれるのですから、結局死者はイデオロギーに踊らされているようなものですね。

いずれにしろ、そんな誰が死んだかわからないような戦争は、もう絶対に起こしてはなりません。(無論、戦死者がはっきりした戦争もです。ただ、こちらは現在進行形ですから、止めてくれとしか私には言えません。市民一人ではこれが限界、しかし、市民が集合したものが国家だということも忘れてはいけません、人間はあきらめなければ、驚くほどの奇跡を生むものです)

斎藤さんの殉職に関して述べるべきこと

http://www.asahi.com/national/update/0528/TKY200505280106.html?t


傭兵は職業です。それも、実に古い職業です。アッシリアには、すでに傭兵が存在していました。当然、文字解読の進んでいないほかの文明でも、その存在を否定する要素はありません。

戦争とは最も原始的な政治の解決手段である。

有名な言葉ですね。しかし、紛争ですらない、内戦ですらない状況(アメリカの主張を信じるならという注釈をつけます)において、なにゆえに戦死者が出なければならないのでしょう。

誰が見ても、イラクは現在内戦、いやアメリカとの侵略戦争の渦中にあると指摘できます。

しかし、政治的外交的には、そこに戦争は存在していないのです。

思い出してください。アメリカは、クリントン政権になるまで、ベトナムで戦争を行っていなかったと公式に主張していたのですよ。

あれは、軍事支援であり、米軍は戦闘には参加しているが戦争の当事国で無いと言い切ったリンドン・ジョンソンは、今ではジョン・フィッツジェラルド・ケネディを暗殺した黒幕ではないかとまで言われています。

傭兵を職業として否定はしません。しかし、それを企業化させたイギリス人には立腹しています。

そして、結果的にシオニストの犬といわれて死んだ日本人がイラクにいる。それは、あなた方の会社の社員だった人間なのです。

斎藤さんは、ヘブライ語にもユダヤ教にも無縁だったでしょう。しかし、もはや国家と結託した企業は、その社員までもが、出自に関係なく反政府派のイラク人には侵略者であり、ダビデの星を背負った非人間なのです。

彼の死をいたむのは当然です。

しかし同時に、現在のイラクをもっと真剣に見つめてください。

今の政府の状況である限り、テロは終わりません。

アメリカ軍がいる限り、テロは止まりません。

斎藤さんは、職務で殉職しました。しかし、毎日のように一般人が、テロで死んでいるのです。

中東だけじゃない。

先日のスペインの爆破事件、どれだけの人間が詳細を知っていますか?

スペインの独立運動組織やイスラム過激派がどれだけいるのか知っていますか?

今は情報があふれすぎていて、本当に必要な情報が見つからないような世界です。

ミンダナオ島が、渡航勧告地域であることを知っていましたか?

セブ島でさえ、危険度が示唆されているのですよ。(それも米軍がいた30年以上前から)

日本の平和な状況だけを見て、物事を判断しないでください。

脱線事故は痛ましい。殺人事件は憂慮すべきほど増えている。しかし、もっとマクロな視点で日本と世界を見て欲しいんです。

それこそが、斎藤さんの死という現実を考えるのに必要なスタンスだと私は信じます。


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