現在の状況での誘拐の意味 | 軍事作家 橋本 純の反戦ブログ

現在の状況での誘拐の意味

オープニングでいきなり暗いテーマですが、人質惨殺についてコメントを述べさせてもらいます。
イスラムにおける価値基準をもってしても、非武装の人間を誘拐し殺害するのは、罪なのですが、テロ犯罪者たちの言い分は、アメリカ(及びその金融資産に裏付けられアメリカの協力を得ているイスラエル)の蛮行は、彼らのやっている事と実質的に変わらないということになるのですよね。
イスラエル兵は、パレスチナ人の子供を躊躇無く射殺します。理由も無く。
アメリカ人は、それを非難しません。
なるほど、対比させれば、両者に悪は存在しています。
しかし、テロリズムは戦争と違い、明確に規定されたルールの無い犯罪行為です。
その意味では、許されざる行為には違いないでしょう。
香田さんの死は、本人の軽率に由来しているとしても、アメリカの同盟国を明言している日本政府にも大きな責任があるのは間違いないのです。
軍事活動を行っていない自衛隊を引き上げる必要性はありませんが、しかし、彼らが軍隊であると言う現実は、イラク人の子供の目にも明らかなんですよ。
直接軍事行動をしていないから、というのは言い訳に過ぎません。
日本は、戦争に荷担しています。
しかもこの戦争は、公式には既に終わっているのに、実際には続いているのです。
その所為ではないでしょうが、アメリカ軍の現在の掃討作戦は、まさにイスラエルがPLOに対し行っている物と変わりありません。
この状況が続く限り、イラクに平和は訪れません。
力でテロを封じることは、爆弾を金槌で解体するようなものです。
私は、アメリカが劇的に変化する日まで、イラク人は被害を受けつづけ、外国人は標的になりつづけるだろうと断言します。
国連に実質的実行力が無いなら、新たな国際組織の結成を提唱してもいいじゃないですか。
平和を望まないのは、軍事産業で潤う国の政府だけです。
困ったことに、日本はここに参加しようと目論んでいるようで、悲しい限りです。
小松左京先生の名著のタイトルを、結びの文にさせていただきましょう。
地には平和を…