今後の中東情勢を憂慮す | 軍事作家 橋本 純の反戦ブログ

今後の中東情勢を憂慮す

私事ながら、十一月十日に父が逝去し、一週間以上も記事書き込みできなかったこと、お詫び申し上げます。その間、世界情勢は大きく動いており、やや遅くなったことはいたし方ありませんが、改めて、中東の惨禍への苦言を呈したいと存じます。 まずアラファト氏の死によって、中東問題の新たな突破校が開けたなどとふざけた報道をしているマスコミに、一喝いたしたいと思います。アラファト氏は、パレスチナに戦乱を常在させた数多の責任者の一人であることは、私も指摘します。しかしながら、ブッシュ米大統領が彼を交渉相手としなかったのは、ユダヤ資本への従僕な政治家であったからに過ぎず、今後カリスマを持った指導者がパレスチナに現れなければ、イスラエルにとって優位な条件を引き出しつつ、交渉が可能になったというだけで、実際には和平には近付いておらず、より一層の反目を生む原因になったのだと、私は断言いたします。ブレア英首相の発言は、単に自分の政治家としての保身からきた、安易な啓蒙プロパガンダにすぎません。これを持ち上げ、報道するマスコミは、まさに平和への妨げでしかありません。さらに、イラク情勢に関してですが、結局のところ、密林が無いのでベトナムのような苦労はなく、アフガニスタンのように山岳地帯でもないので、隠れる場所も限定されるだろうという甘い判断の元に、掃討作戦を断行した米軍ですが、これがかえって混乱を招くことになったと、既に上層部は判断している筈です。民間人と武装勢力の見分ける方法は、武器を所持していなければ、無いのですよ。そんな相手と戦闘すればどうなります?民間人が誤射されるのは当たり前のことです。無益な戦闘はすぐに中止すべきだと、言いたかったのですが、父の葬儀準備でタイミングを逸しました。なんとも残念至極です。とにかく、事態は何一つ好転していません。血で何かを解決することができますか?真の平和は、互いが理解しなければ不可能です。対話を、とにかく相互に意見に耳を傾けることを、私は望みます。