供給に余裕があるのにガソリンが高い訳と、アメリカとロシアの思惑 | 軍事作家 橋本 純の反戦ブログ

供給に余裕があるのにガソリンが高い訳と、アメリカとロシアの思惑

石油関連製品の高騰は、復帰の兆しを見せた日本の経済の芽を摘みかねないですね。困ったものだ。うちの車はハイオク専用車ですから、もう乗るなと言われているようなものです。

さて、原油価格決まる仕組みご存知の方なら現在の高騰は、OPECの所為だけでないのは、ご存知ですね。

原油価格の平均指数は、アメリカのテキサス産原油です(全世界供給量のたった2%)、これがNYで取引されるのですが、先物取引などが関与して、これまではOPECが減産しても大幅な高値はついてなかったんです。それが、イラク戦争以後変わってしまいました。

情勢悪化と減産のダブルパンチ、そこにあわせてファンドマネージャーが大量に、原油に目を付けちゃったから、世界最大の産油国ロシアが、フル生産で供給量は問題なくなってるのに、高値更新が続いています。

それは、テキサス原油を高く買う馬鹿が居るからです。(特に投機筋の資金流入がでかい)

OPECの基準価格より高い価格が、市場価格になっちゃってるんですよ。

それにしても、なんでそんな僅かなアメリカ原油が世界の価格の基準になるかと不思議に思うでしょうが、これを説明するにはかつてのセブンシスターズ時代まで遡らないとなりません。

かつて、世界の石油権益の殆どすべてを握っていた彼らは、競争による価格低下を防止するために、一般入札市場を開設したんです。それがNYで、基準値がテキサス。それが今でも続いている(理不尽だ!)

実は、この原油高は、アメリカ経済にも打撃を与えています。

だったら、何とか引き下げできないのか? そう思うでしょう。しかし、市場に金を導入しているのが、実は中東の金持ちだったりするんです。

自分のところの原油を高く売るために、投機してるんですね。

そこでアメリカは、ロシアに協力を要請して供給過多の状況を生み、価格下落を狙っているんです。

ロシアにしてみれば、現在生産分の価格は高値で受け取れます。(先物取引分は別ですがね)だから、フル生産状態なんですね。

さて、ところがここで大きな問題がおきました。

どこかのあほな国が、金融改革の所為で、リスクヘッジもお構い無しに、素人にファンド売りまくってるんですが、その中に原油取引が含まれてる。

ちょっと、日本のお金余ってる皆さん! あんた自分で自分の首しめてますよ!

しかもね、このままだと、原油値崩れで、バブル崩壊が起こる懸念があるんですから!

まあ、金持ちが損するのはいいが、経済が後退されちゃ困るんで、警告しておきます。

とりあえず1バレル50ドル割れが起きた時(多分崩れるときは1時間かからない)、きちんとリスク回避できる自信のあるファンドマネージャーさん、どれくらいいます?