ハドリー補佐官の発言は、消極論かカモフラージュか? | 軍事作家 橋本 純の反戦ブログ

ハドリー補佐官の発言は、消極論かカモフラージュか?

額面どおりに受け取るなら、アメリカは北朝鮮が核実験してから、実力行使ということを明言したわけですが、ブッシュ政権は慎重論を選択する可能性は低いでしょう。

ライス国務長官がイラクを電撃訪問した裏側には、現状の駐留兵力を削減する可能性について探る必要があったからと観測すると、アメリカが追い詰めた相手への爪の研ぎ方が見えてきます。

つまり、この場合は北朝鮮へ裂ける戦力の胸算用ですね。

韓国が六カ国協議を再開するなら出せるという重大決議、できれば手遅れになる前に提示して欲しいものです。

なにしろ、日本でさえ明後日から、定期訓練の名目で、わざわざ佐世保に16隻もの護衛艦を集結させます。これは、中東派遣から、イージス艦の「ちょうかい」が帰還したのと無縁ではありません。

この訓練期間中も、舞鶴を母港とする第3護衛艦隊郡は、米第7艦隊と共に日本海の警戒を続行します。

誰が見ても示威行為ですよ。

アメリカは、常任理事国の定数増加問題では、日本が以前拒否権無しでもいいと譲歩しているのを承知で日本がタッグを組んだチームが拒否権を要求(特にインドが強く出すね)ことで、拒否権付与に反対を強く主張しています

ただでも無茶だと思うのに日本は国連でも外交的ミスの連発です。ところがそのアメリカ、対北朝鮮問題だけは、日本が安保理への付託を強く主張していると明言してます。こういうときだけは、同盟国なんですね。

前から、私は言っていますが、米国は日本の信頼すべき同盟相手ではなく、日本はアメリカの従僕に過ぎません。まさに今回の一件が、そのことの証拠と言えるでしょう。(50年前から判っちゃいることですが)

どう転んでも、北朝鮮が最悪の目を出すなら、日本は安保発動を余儀なくされますよ。

EUなどは、ここで日本が戦闘に巻き込まれることで、対中国マーケットへの経済進出から脱落するのを待っているわけですから、案外常任理事国問題でドイツが拒否権にこだわっているのは、経済的な意味で、日本を困窮させる意図があるのかもしれません。

よく考えると、韓国も歴史改ざん問題で中国と揉めたばかりですね、竹島騒ぎの数十倍は大きく韓国国内では騒がれていたのに、日本では殆ど報道されていない。

韓国は、まだ中国をマーケットとして視野に入れて切れていない可能性もあるわけですな。

すべての味方が、自分に与するなどと、甘っちょろい幻想を抱かぬことです。独自路線を、大至急打ち出さないと、日本は高度成長気前に逆戻りかもしれませんね。