NPTの流局は、99%日本の責任でしょう。 | 軍事作家 橋本 純の反戦ブログ

NPTの流局は、99%日本の責任でしょう。

どこかの平和団体みたいに、声高に叫ぶつもりはありませんが、五年に一回の会議を、完全に主導権握ろうとして、首相が盟友だと言った国に見離され、1ヶ月空転して何のステートメントも出せなかったなんて、国連に対する外務省の認識不足が、完全に露呈してますね。

アメリカは絶対にNPFTが時代遅れである事を理解してます。でも、日本はこれをNPTの核に据えようとしていたのですから、エジプトの反発すら退けられないのも無理からん話だ。

なんか、アルファベット乱れ飛ぶと話が見えにくいから、日本語に直していきますけど、核拡散防止条約が有名無実化している現状で、特に中東問題の継続審議(イスラエルがターゲットです)の再確認をエジプトが執拗に迫ったのには理由があります。

包括的核協議では、核実験中止条約も審議対称になってます。(アメリカは、これにずっと反対して署名して無いんですね。理由は、定期的に実験しないと核爆弾の性能維持出来ないからと言う面と、今は冷戦が終結し本来の核保有是認国以外への抑止力維持だそうですが、眉唾だな。特に9・11以後)

現在のシャロン政権の政治理念に、中東各国は危機感を抱く中、かろうじてパイプの繋がっているエジプトが、あの席で主導権を握り、議題の中心をNPT未加盟国への核廃棄を長期協議したかったからでしょう。

これが、北朝鮮問題に絞り込みたかった日本には、邪魔だった訳です。

実は、日本の用意していたシナリオでは、短期決戦で未加盟国への査察および廃棄勧告の権限をNPTが握ってしまうために、自分が主導権を握ると言うものだったのですね。

ところが世の中、ややこしい。

アメリカが日本の議題提案にNOと言ってきちゃったんですね。ついでにエジプトにも。

何故かと言うと、エジプトは実験中止の関する継続協議にも確認を求めたからです。(そりゃイスラエルに実験されちゃ困る。アメリカもイランと北朝鮮にされちゃ困るけど、自分も出来ないのはもっと困る)

アメリカの退席は、日本の「想定外」だったんですよね。

事前に根回しして無かったんだから、こうなっても文句は言えない。(核に関しては、日本の政府内で禁忌的に扱う慣例がるみたいで、官僚の皆さん自分が担当になるまで世界の実情を勉強していないようですねえ。駄目だ~この国)

常任理事国入りに必死で、こちらまで手が回らなかったのは見え見えです。

より緊急性の高い案件はどちらだと思います皆さん?

常任理事国入りは今回ワンチャンスかもしれませんが、NPT会議は五年後まで無いんですよ。

広島、長崎から60年。被爆国の威信は、この国の指導者の根拠の無い外交への自信から、深層雪崩れを起こして崩れていきそうです。

koizumi ←今日本で一番「はったり」がうまいと思われる人(でも限界)


蛇足ながら、妻の母方の祖母は被爆者でした。今は、呼子の教会の墓地に眠って居ます。

外務省の担当官の方、対応方法が本当に無かったのか説明をしに行ってやって下さい。