軍事作家 橋本 純の反戦ブログ -4ページ目
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ウクライナと中東の密接な関連

消費者価格調査で、ついに灯油が18リットルあたりの単価で1000円を突破した。
これは、中東の情勢だけが影響しているわけではない。他の産油国の動向と密接に関連している。
特にウクライナは東欧産油国で重要な位置を持っており、現在の混乱状況が、波及的に日本に影響を与えていると考えて構わない。
すなわち、日本が中東産油国と優先的に購買の約束を行い、OPECに振り回された過去から、中米原油などにもバックアップの為のパイプを通したのであるが、欧州における原油ルートが、緊急時に何処を優先してくるかの読み違いで、結果的に各産油国(無論その中心は中東の産油国だ)が、原油価格の吊り上げを行い(現在は高値安定から下降方向だが、価格に反映されるのは三ヵ月後である)その挙句に、量的には問題なく確保できているのに、価格は青天井に近い勢いで上がってきたわけである。(既に抑制策を打ったのに、価格に歯止めがかからない原因は、主に政府の取り組みが不十分であるからだ)
いずれにしろ、単なる権益保護のために自衛隊を出した日本は、結果的に中東において、相変わらずのネギを背負った鴨を続けることになるのは、自明の理である。
即応的対応が、政府に課せられた、命題である。
これはどの国でも変わらない鉄則だ。
過去の慣例だの、文化などに拘って、結果的に恐慌状態に陥った国がいかに多いか、歴史を紐解けば、枚挙に暇が無い。
平和憲法護持も大事であろうが、より率先したアイデンティティの発露がなければ、日本の外交は未だ明治の三流外交を踏襲していると言っても過言ではないだろう。
では、そのアイデンティティとは?
無論、政府が率先し、諸外国が問題としている点を納得の行く形で解決し、同時に諸外国に日本という国の独自性を理解させ、友好の模範たることだろう。
まあ、今の政治家にその能力が無いのを理解した上で要求しているのは、これまでココログの方を読んできた人には判るであろう。
私は、常にWEBの上で、政府を扱うときは皮肉だけを中核に据えてきた。
これは、一市民がいかに是正を叫んでも、無意味であることの象徴的アイロニーであると、自ら吐露しておこう。
知人に国会議員もいる。
友人に市会議員もいる。
されど、政治には何の期待も持たぬ。だから彼らに、何の言葉も預けぬ。
我が毒舌は、単に彼らの腐敗を己の未熟と重ね合わせた上での自虐的嗜好に過ぎない。
しかし、私の持論は常のそこい存在している。
重ねて言おう。日本の政府に何の期待もしていない。だが、我々の安寧を奪うのであれば、公人として断固抗う覚悟はあると。

今さらの話ですが、南京大虐殺

あったものは素直に認めましょう>日本政府の皆さま
数字を誇張するのは止めましょう>中華人民共和国政府の皆さん
うそだと叫んでで道を走らないで下さい。我が家は国道沿いなのでうるさいです>右翼政治結社の皆さん
役者を使ってニュース映像作らないで下さい>海外ニュースメディアの皆さん(特にUFPとロイターの皆さん)

戦争で民間人を殺害するのは罪です。
その意味では、現在の国連の母体である連合軍の皆さん(要するに現在の拒否権をお持ちの国々の皆さんですが)は、総て無差別爆撃および民間人殺害、捕虜の殺害を行っております。きれいな戦争を行った国など皆無です。
アメリカ人の演技に騙されていた方は、目を覚ましましょう。
日本人も大変多くの民間人を殺害しました。その事を胸に刻みましょう。
平和は、対話から始まるのですが、罪を擦り付け合うのは、平和の為の対話とは言いません。
きちんと物事を、筋道に沿って話し合える政府間交渉と言う物は、本当に可能なのでしょうか?
本気で日本がそれを望むなら、小泉さん、まず靖国参拝を止め、国営の兵士慰霊碑を新規に作ってください。ただそれだけのことでいいんですよ。
税金で物納された土地がいくらでもあるでしょう。場所など、何のゆかりの無いところで構わないでしょう? 過去の日本は、現在の政府とは関係ないといいきるのですから。
日本政府は、平和の使途になる資格を失いつつあると、国民も早く気付いて欲しいものです。
重ねて言います。
日本軍は、南京で民間人を殺しています。
私は、それを実行した人間から直接話を聞いています。
なによりもその証言の重さが、今の政治家の対応に憤りを覚えさせる原因なのです。

今後の中東情勢を憂慮す

私事ながら、十一月十日に父が逝去し、一週間以上も記事書き込みできなかったこと、お詫び申し上げます。その間、世界情勢は大きく動いており、やや遅くなったことはいたし方ありませんが、改めて、中東の惨禍への苦言を呈したいと存じます。 まずアラファト氏の死によって、中東問題の新たな突破校が開けたなどとふざけた報道をしているマスコミに、一喝いたしたいと思います。アラファト氏は、パレスチナに戦乱を常在させた数多の責任者の一人であることは、私も指摘します。しかしながら、ブッシュ米大統領が彼を交渉相手としなかったのは、ユダヤ資本への従僕な政治家であったからに過ぎず、今後カリスマを持った指導者がパレスチナに現れなければ、イスラエルにとって優位な条件を引き出しつつ、交渉が可能になったというだけで、実際には和平には近付いておらず、より一層の反目を生む原因になったのだと、私は断言いたします。ブレア英首相の発言は、単に自分の政治家としての保身からきた、安易な啓蒙プロパガンダにすぎません。これを持ち上げ、報道するマスコミは、まさに平和への妨げでしかありません。さらに、イラク情勢に関してですが、結局のところ、密林が無いのでベトナムのような苦労はなく、アフガニスタンのように山岳地帯でもないので、隠れる場所も限定されるだろうという甘い判断の元に、掃討作戦を断行した米軍ですが、これがかえって混乱を招くことになったと、既に上層部は判断している筈です。民間人と武装勢力の見分ける方法は、武器を所持していなければ、無いのですよ。そんな相手と戦闘すればどうなります?民間人が誤射されるのは当たり前のことです。無益な戦闘はすぐに中止すべきだと、言いたかったのですが、父の葬儀準備でタイミングを逸しました。なんとも残念至極です。とにかく、事態は何一つ好転していません。血で何かを解決することができますか?真の平和は、互いが理解しなければ不可能です。対話を、とにかく相互に意見に耳を傾けることを、私は望みます。

アラファト議長の容態に関する裏事情

昨夜、イスラエル国営放送が死亡説を流した所為で、事態はさらに混乱を招いてしまっているが、これは無論、イスラエルによるパレスチナへの心理攻撃である。
プロパガンダを通じての、揺さぶりは放送網が出来てからは常に行われてきたことだから、当然といえば当然だ。
しかし、報道が公正でなければならないという信念は、倫理的背景からも万人が思い願うことであろう。
(現実は、どの国のメディアも独自の意見を持ち、視聴者、聴取者に判断を委ねるようなことは無い)
パレスチナにおける最大の悲劇は、アラファトの後継者を早期に見出すことが出来なかったことにある。
カリスマが、これを妨げたともいえるが、とにかく平和を阻害した要因の一つに、アラファトに権力が集中してしまったという現実があることも見逃してはならない。
イスラエルの行っていることは、蛮行と断じていいが、これにテロで対抗する(確かにそれしか手段の無いのは認める。だが、それが真に正しい選択なのか?)パレスチナの市井の基礎を築いたのは、アラファトに他ならない。
私は、出きるだけ、偏向の無い情勢分析を心掛けたいが、どこかに価値観の偏りがあることは、正直認めざるを得ない。
アラファト氏が死去した場合、イスラエル=アメリカは、どういう政策をパレスチナにとるか、それこそが、真の中東利権の模索の具現化だとだけは指摘する。
地中海方面における試掘権問題は60年間フリーズしていることを、日本人はあまりに無関心であることも、事態の深刻さの認識欠如に繋がっていよう。
もう、一般人の死を、「戦争地域でない筈の場所」で見るのはたくさんだ。
ブッシュが再選された事で、何も変わらない中東が四年間続く。
絶望に沈んだ人間がどれだけ多いかを、日本人も想像するべきであろう。

ところで、これジョークじゃないので

姉妹BLOGの、はみ出し帳と一緒に読んでみると、色々判ってきますが、私はただのミリタリー馬鹿であって、右翼ではありません。
戦争は、基本的に嫌いです。
日本に戦争が起こったら真っ先に逃げます。
負けたら、敵にチョコレート・・・ひょっとしたらキムチかもしれないが、貰いにいきます。
IFCONや他のコンベンションでやってるのは、ジョークですよ。
間違っても表立って、話しちゃいけない世界です。http://gensyunotubuyaki.cocolog-JunHashimoto.com/

上官の指示

旧日本軍における(いや当時の多くの軍隊において)命令服従は当然であり、一般兵士に指示に逆らうことは、地位の喪失、犯罪行為でした。
このような状況において行われた戦争犯罪で、実行者を主に罰するのは倫理的に抵抗を感じます。指揮者こそが犯罪者に他ならないのですからね。
しかし、無抵抗の合意と言う、裁判論理は今も判例主義の中に生きています。
アメリカは、かつて反逆もまた倫理に反する行為なら容認する、と言ったハリウッド映画を垂れ流ししましたね。
そのアメリカは、勝てば官軍で、戦争犯罪者を大量生産しています。
捕虜虐待なんて、氷山の一角ですが、それ以上に腹立たしいのが、太平洋戦争期と朝鮮戦争(最近ようやく、アメリカも紛争ではなく戦争と認めてきてますね、ベトナムはまだ紛争だと言い張ってますが)における自国の戦争犯罪については、殆ど目をつぶっています。
オーストラリアが10年程前、自国のパイロットが第二次世界大戦で国際法違反を犯した(脱出した貨物船乗員に銃撃した、当時のフィルムが決定的証拠になった)として有罪判決を出しましたが、これはむしろ、日本に対する圧力的な意味があったことは、当時日本のマスコミは報道しませんでしたね。
日本が、中国大陸で行った多くの蛮行に対し、国民党政府(現在の台湾)が、金品による見逃しを行ったりしたと言う、忌まわしい事実などもあり、確かにまだ追求すべきことは多いと思います。
しかし、真の犯罪者たるべき指揮官の殆どが鬼籍に入ってしまった今、個人の罪を問うのはナンセンスであり、当時の社会体制を悪と断定し、戦争に傾倒した日本人そのものを反省すべきじゃないかと個人的には考えておる次第です。

特攻という悪夢

中東の自爆攻撃と重なる為か、幾度となく特攻に関し意見を求められましたが、私は生き残った人々の証言を忠実に伝えつづけました。
誰もお国の為に死にたいなどと本気で思っていなかった。
その風潮に逆らうことは、許されない世界だったから、若者は強制的にしに追いやられたに過ぎない、と。
特攻は志願が中心だったと言うのも、神話に過ぎない。
部隊単位で必要な機数を割り出し、攻撃に必要な技量を会得した者がリストアップされ、自動的に特攻隊員になっていっただけだ。
志願書とは、すなわち死に証文、命令に逆らえない者たちの身売り証文でしかなかった。
こう言った側面を見れば、ムスリムの人々が自ら死を厭わぬ奇異を、日本人も感じてしかるべきであろう。
彼らには、真に死の栄光と死後の地位が約束されている。
夢想の世界と言えばそれまでだが、宗教と言う物は、狂信的であろうが無かろうが、その教義に心理の大半を支配されてしまうものだ。
アメリカにおいてもキリスト教的タブーは、依然大きな意味を持ち、国民の意識の低へんで影響を与えている。(カソリックである欧州は尚更だ)
そんな中で、日本人は世界的に稀有な無神論者の大国である。
仏教や神道があると反論しても、それは形骸化された儀式の為の宗教であり、日常の生活の指針を与えるべき存在とはなりえていない(創価学会までがそうだとは言わぬが、彼らは日本の主導的立場に無いのは無論のことだ)
かつての日本で、人間の命を兵器の一部に組み込んだのは、軍事政権が作り上げた力への信奉(いやむしろ服従)に他ならない。
これは、宗教より厄介な存在だ。
何故なら、そこに救われるべき来世は無いのだから。
死は崇高なる物か、いや、過去から現在を通じ、そうであった時期はあまりに短い。
死とは、あまりに我々に近く、そして軽い物なのだ。
だが、決して他者を巻き込むべきものではない。
宗教倫理を越えて、自己だけでなく他人を死に追いやる行為は、呪われてしかるべき犯罪と受け止めるべきである。
特攻の戦死者は、哀悼すべき対象ではあるが、決して賛美すべき対象ではない。それをしっかり、理解して欲しいと言うのが、私の若者たちへの願いである。

現在の状況での誘拐の意味

オープニングでいきなり暗いテーマですが、人質惨殺についてコメントを述べさせてもらいます。
イスラムにおける価値基準をもってしても、非武装の人間を誘拐し殺害するのは、罪なのですが、テロ犯罪者たちの言い分は、アメリカ(及びその金融資産に裏付けられアメリカの協力を得ているイスラエル)の蛮行は、彼らのやっている事と実質的に変わらないということになるのですよね。
イスラエル兵は、パレスチナ人の子供を躊躇無く射殺します。理由も無く。
アメリカ人は、それを非難しません。
なるほど、対比させれば、両者に悪は存在しています。
しかし、テロリズムは戦争と違い、明確に規定されたルールの無い犯罪行為です。
その意味では、許されざる行為には違いないでしょう。
香田さんの死は、本人の軽率に由来しているとしても、アメリカの同盟国を明言している日本政府にも大きな責任があるのは間違いないのです。
軍事活動を行っていない自衛隊を引き上げる必要性はありませんが、しかし、彼らが軍隊であると言う現実は、イラク人の子供の目にも明らかなんですよ。
直接軍事行動をしていないから、というのは言い訳に過ぎません。
日本は、戦争に荷担しています。
しかもこの戦争は、公式には既に終わっているのに、実際には続いているのです。
その所為ではないでしょうが、アメリカ軍の現在の掃討作戦は、まさにイスラエルがPLOに対し行っている物と変わりありません。
この状況が続く限り、イラクに平和は訪れません。
力でテロを封じることは、爆弾を金槌で解体するようなものです。
私は、アメリカが劇的に変化する日まで、イラク人は被害を受けつづけ、外国人は標的になりつづけるだろうと断言します。
国連に実質的実行力が無いなら、新たな国際組織の結成を提唱してもいいじゃないですか。
平和を望まないのは、軍事産業で潤う国の政府だけです。
困ったことに、日本はここに参加しようと目論んでいるようで、悲しい限りです。
小松左京先生の名著のタイトルを、結びの文にさせていただきましょう。
地には平和を…
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